クラーケンが米連邦準備制度(FRB)の中核決済インフラへのアクセス承認を受けたことで、銀行業界から激しい反発が起きている。
米地方銀行協会(ICBA)とバンク・ポリシー・インスティテュート(BPI)は水曜日、声明を発表し、FRBの決定が金融システムの安定性にリスクをもたらすと強く反対した。
クラーケンが米連邦準備制度から初めてマスター口座を取得した暗号資産企業となったというニュースが報じられた数時間後、ICBAは痛烈な声明を発表した。
BPIもまた、意思決定プロセスについて懸念を表明した。
これらの声明は、クラーケンが現在、数千の米国の銀行や信用組合と同じ決済レールに直接アクセスできるようになった事実を暗に強調している。このアクセスにより、同社は仲介銀行を介さず、FRBを通じて米ドル取引を直接決済できる。
クラーケンは、準備預金に対する利息収入など、従来型銀行がFRBから享受している全ての恩恵を受けられるわけではない。しかし、この承認は暗号資産業界にとって大きな勝利となる。
こうした銀行と暗号資産の対立はクラーケンの承認だけにとどまらず、暗号資産が伝統的金融で果たす役割の拡大に対する根強い懸念を浮き彫りにする。
昨年7月のGENIUS法成立前、銀行業界はステーブルコインの規制緩和に対して激しくロビー活動を行った。主な論点は、その法案が従来の銀行預金に危険をもたらすという懸念だった。
この懸念には合理性があった。昨年4月、米財務省の報告書は、ステーブルコインが最大6600億ドルの預金流出を招く可能性を指摘していた。
GENIUS法の可決から1か月後、ICBAやBPIを含む5つの銀行業界団体は連名で書簡を米議会に送り、暗号資産取引所を通じてステーブルコイン発行体が利息を支払う抜け穴(ループホール)を閉じるよう求めた。
同時に、こうした抜け穴により、企業や家計への貸出コストが上昇し、融資が減る危険性も警告している。
こうした緊張は現在、CLARITY法を巡る議論にも波及している。特に、暗号資産取引所がステーブルコインに利息に類似したリターンを提供できるかどうかが主な懸念事項となっている。
しかし銀行業界にとって不運なことに、トランプ米大統領は最近、暗号資産業界の側に立った。
火曜日夜、大統領は米国の銀行を直接批判し、GENIUS法の骨抜きとCLARITY法の停滞を指摘した。
この発言は、ステーブルコイン報酬を巡る法案審議において、これまでで最も強い大統領による介入となった。
暗号資産分野に多数の利害関係を持つトランプ米大統領の家族は、11月の中間選挙までに市場構造法案の可決を議会に強く求めている。選挙では現状の共和党支配体制が揺らぐ可能性がある。
トランプ米大統領のSNS投稿は、POLITICOが大統領とコインベースのブライアン・アームストロングCEOのホワイトハウスでの非公開会談を報じた数時間後に発信された。

