金融庁は27日、「FinTech実証実験ハブ」における13件目の支援案件として、日立製作所が申請した暗号資産等のマネー・ローンダリング対策に関する実証実験の支援を決定した。複数の暗号資産交換業者やステーブルコイン取扱事業者が参加し、民間事業者による情報連携の有効性を検証する。実験期間は3月から5月までの3カ月間を予定している。
本実証実験には、あおぞら銀行、GMOコイン、ビットバンク、楽天ウォレットなど、計16社が参加する。暗号資産を悪用した詐欺や不正流出、マネーロンダリングが増加する中、複数の事業者が連携して不正の疑いがあるウォレットアドレス情報を業界横断で共有する新たな枠組みを構築する。取引時点でのリスク評価やブロックチェーン上の不正兆候の早期把握など、民間主体による情報連携モデルの実務適合性を検証する。
参加事業者は、取引のモニタリング技術を活用し、詐欺や不正の早期検知と被害拡大防止に取り組む。また、分析結果の共有方法や取り扱い範囲、個人情報保護上の留意事項などの法的論点も整理する。金融庁は、実証実験を通じて整理されたコンプライアンスや監督対応上の論点、法令解釈に係る実務上の論点を含む実験結果について、終了後にウェブサイトで公表する予定だ。
金融庁が2017年9月に設置した「FinTech実証実験ハブ」は、フィンテック企業や金融機関が前例のない実証実験を行う際の懸念を払拭し、イノベーションを加速させることを目的としている。今回の支援決定は、明確性、社会的意義、革新性、利用者保護、実験の遂行可能性という5つの基準に照らして検討された結果である。
デジタルアセット取引におけるアンチマネーローンダリング高度化を推進するfinojectは、実証実験の運営と評価結果の調査という重要な役割を担う。同社は2025年2月から4月にかけても、各事業者と連携してデジタルアセット取引におけるマネロン対策の実証実験を実施しており、これまでの実績が今回の選定で評価された。金融庁の「マネーローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題」においても、本取り組みが取り上げられている。


