イーサリアム(ETH)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は2026年1月21日に、今年の個人的な目標として「分散型ソーシャル(Decentralized Social/DeSo)」の世界へ完全に回帰する方針を明らかにしました。
ヴィタリック氏は「より良い社会を築くためには、現在のマスコミュニケーションツールを根本的に改善する必要がある」と主張しており、既存のプラットフォームが短期間のエンゲージメント(ユーザーの滞在時間や反応)を最大化することに注力している現状を指摘し、ユーザーの長期的利益に奉仕する新しいツールの必要性を訴えています。
同氏は「最良の情報や議論を表面化させ、人々が合意点を見出す手助けとなるようなツールが必要である」と述べており、その実現には「競争」が不可欠で、共有データレイヤー上で誰もが独自のクライアント(閲覧・投稿アプリ)を構築できる「分散化」こそが、その競争を可能にする唯一の方法であると語っています。
ヴィタリック氏は、分散型ソーシャルへの期待を寄せる一方で、これまでの暗号資産ソーシャルプロジェクトの多くが誤った方向に進んでいたと厳しく批判しています。特に、単に投機的なトークンやコインをシステムに組み込むことを「イノベーション」と勘違いしているプロジェクトが多いと指摘しました。
同氏は「お金とソーシャルの融合」自体を否定しているわけではありません。例として、クリエイターが高品質なコンテンツで収益を得られる「Substack(サブスタック)」のような経済圏は健全であると評価しています。しかし、クリエイターの周囲に「価格バブル」を作り出すような仕組みは、以下の2つの理由から失敗に終わると分析しています。
また「新しい市場や資産を作ることが情報を引き出すため自動的に良いことである」という主張に対しては「それは情報のユートピアなどではなく、単なる企業のたわごと(corposlop)に過ぎない」と一蹴しています。開発者たちが、人々が情報から利益を得る能力を最大化することに真に関心がない場合、それは無意味であるという見解です。
ヴィタリック氏はすでに今年に入ってから、X(旧Twitter)、Lens Protocol、Farcaster、Blueskyへの読み書きを一括で行えるマルチクライアントアプリ「Firefly」を使用し、分散型ソーシャルへの移行を実践していることも明かしています。
特にAave(AAVE)のチームが開発を主導してきた「Lens Protocol」については、これまでの管理運営が高く評価されています。また、新たにLensを引き継ぐチームについても、分散型ソーシャルという概念がほとんど存在しなかった頃から「暗号化ツイート」の仕組みを模索していた人物たちであるとして、強い期待を寄せています。
同氏は最後に、Xのような単一の巨大な「情報戦争地帯」に閉じこもるのをやめ、LensやFarcasterといった「再開されたフロンティア」に時間を費やすよう人々に推奨しました。これは「それによってより新しく、より良い形の相互作用が可能になる」と信じているからです。
分散型SNSの本格的な普及にはまだ時間がかかると予想されますが、現在は中央集権的なプラットフォームによる情報の独占やアルゴリズムによる分断が限界を迎えつつあるため、データの共有層を民主化する「分散化」の意義はかつてないほど高まっています。
このような状況下でのヴィタリック氏の本格復帰は、クリプト業界が「投機の狂乱」を脱して「真のコミュニケーションの変革」へ向かうための重要な号砲になる可能性があります。
>>最新の仮想通貨ニュースはこちら
Web3関連の注目記事
JPYCとLINE NEXTが協業、日本円ステーブルコインをLINE基盤で展開へ
2026年の仮想通貨トレンドは「プライバシー」が鍵になる?a16z cryptoが注目の予測公開
Tria、3か月でカード決済2,000万ドルに到達|仮想通貨決済が実生活に浸透へ
source:Vitalik Buterin氏のX投稿
サムネイル:AIによる生成画像


