トランプ米大統領は金利の引き下げを支持し、成長がインフレを引き起こさないと明言したうえで、NBCのクリステン・ウェルカー氏との「Meet the Press」インタビューを途中退席した。
この退席シーンがSNSで拡散している。しかし、当該やり取りの中に埋もれた政策的なシグナルの方が、ビットコイン(BTC)、原油、株式にとってはるかに重要。
インタビューでウェルカー氏は、連邦準備制度理事会(FRB)の新議長となったケビン・ウォーシュ氏のもとで金利引き上げが必要となるかを問うた。
上院は5月13日にウォーシュ氏を賛成54票・反対45票で承認した。これはFRB議長として過去最も狭い差。ウォーシュ氏は6月16日と17日の初会合で政策を決定する予定で、金利は3.50%から3.75%の水準。
トランプ大統領はこれに対し逆の立場を示した。
新たな経済指標が大統領の主張を支えている。5月の雇用統計は17万2000人増加と、市場予想の8万5000人をほぼ2倍上回り、失業率は4.3%で据え置きとなった。
トランプ大統領は「労働市場の好調はインフレに直結する」とのフィリップス曲線的な発想を否定した。
こうした姿勢は1期目の再現である。トランプ大統領は2018年から2019年にかけて当時のパウエル議長へ利下げを公然と迫った。
だが今回はやや難しい相手となる。ウォーシュ氏は金融引き締め派(タカ派)として知られ、量的緩和に反対して2011年に理事を辞任した経歴。
市場はまだ反応していない。CME FedWatchは今月の据え置き確率を96%とみている。
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戦争終結の行方次第でエネルギー価格の前提が変わった。ブレント原油は2月下旬の1バレル約72ドルから一時約120ドルまで急伸、金曜日時点で約94ドルに下落した。
AAAによると全米ガソリン平均価格は1ガロン4.17ドルで、イラン戦争開始以降1.16ドル上昇した。
これはウォーシュ氏が直面するインフレ圧力となる。ガソリン価格がピークをつけたかとの問いに、トランプ大統領は明言しなかった。
いずれの道にせよ、「ガソリン価格は岩のように下落する」と主張した。
合意成立によって、世界の原油供給の約20%が通過するホルムズ海峡の再開通も期待される。
トランプ大統領はさらに過去最大規模の予算に加え、国防費増額も示唆した。
2027会計年度予算案では国防費1兆5000億ドルを計上。これは第二次大戦以降で最大規模になるとCSISは指摘する。
管理予算局(OMB)は、本年度の財政赤字を2兆600億ドル、来年度には2兆1700億ドルと見積もる。この赤字を補うため、財務省は毎月1660億ドル超の国債発行を迫られる。
低金利と大量の発行は、流動性拡大を示唆する。これはビットコイントレーダーが最も注視する変数である。
ただし、この取引には注意点がある。原油価格が長期間上昇すれば、インフレ圧力が高まり、ウォーシュ新議長がタカ派的な対応を迫られる可能性がある。
6月17日の決定は、大統領のメッセージが新議長の判断に影響を及ぼすかどうかを初めて試す機会となる。

