元イーサリアム財団(EF)リサーチャーのダンクラッド・ファイスト氏は2026年5月21日、X(旧Twitter)で「イーサリアムを救う方法」と題し、最低10億ドル(約1,500億円)の資金を持つ独立組織の設立を提案しました。組織はETH価格の向上とエコシステム成長の両立をミッションに掲げ、初期資金はETHで拠出し、継続的にステーキング報酬と取引手数料の一部を受け取る仕組みを想定しています。提案内容は暗号資産メディアBitcoin.com NewsやDecryptなど複数媒体が報道し、コミュニティで大きな議論を呼びました。
ファイスト氏はイーサリアム黎明期から研究開発に携わり、シャーディングやロールアップの実装検証で知られる人物です。現在は決済系L2「Tempo」に所属しつつ、EF外からイーサリアムの技術ロードマップを提言する“インディペンデント・リサーチャー”として活動中です。開発・研究両面の知見と、EF内部事情を把握する立場ゆえに、今回の“資本と意思決定の乖離”を指摘する声には重みがあります。Unchainedも「コミュニティが耳を傾けるべき提起」と評価しています。
ファイスト氏は「EFが保有するETHは総供給量の0.1%未満で、ステーキング報酬も手数料収入もない。技術面で多大な貢献をしても、価格上昇によるインセンティブが働きにくい」と分析します。時価総額2,500億ドル規模へ成長した今、チーム規模と財源のアンバランスが深刻化している――それが“救済”の発端です。特に2024年以降、ビットコイン現物ETF承認やソラナ系プロジェクトの台頭で相対的な投資マネー流入が細り、ETHは3年連続で過去最高値更新に届いていません。この停滞感が「価格に責任を持つ別組織」の議論を加速させています。
現行のオンチェーン指標によると、全ETH供給量の約23%がステーキング中(Beacon Chain)。1年平均報酬は4〜5%前後で推移しています。仮に2,000万ETHをプールし4%の年利を得られれば、年間約80万ETH(執筆時価格約17億ドル)が運営原資になり得ます。もちろん初期の10億ドル調達は一度きりの巨額負担ですが、LSD(Liquid Staking Derivatives)プロトコルや取引所がスポンサーになれば比較的短期間で目標額に到達するとの試算もあります(The Block報道)。
投資家目線では「新組織がローンチ = 買い材料」との見方が優勢です。理由は以下の通りです。
チャート面では、心理的節目2,500ドルを明確に抜けると、過去最高4,900ドル(2021年11月)奪還への“ブル・シナリオ”が開けます。一方で組織設立が長期化、あるいは規模縮小となれば失望売りが想定され、1,800〜2,000ドル帯まで押し戻される“ベア・シナリオ”も排除できません。あくまで投機的予測であり、資金管理と損切りライン設定は必須です。
現時点で正式なガバナンス投票や資金拠出スケジュールは未定ですが、コミュニティ有志は「ETHCC 2026(7月・パリ)で第一回公開討論を行う」案を検討中と報じられていますGrafa。また、9月のデンバー「ETHGlobal」ではプロトタイプDAOのデモが予定され、賛同者が十分に集まれば23年ぶり大型ファンド組成の前例となる可能性も指摘されています。
今回の提案は「分散型ネットワークに中央集権的ファンドは要らない」という純粋主義と、「価格とユーザー獲得を無視すればイノベーションは死ぬ」という実利主義の対立を浮き彫りにしました。とはいえ、BTC ETFマネーの流入で時価総額シェアが低下するなか、“第三の選択肢”として一定の説得力があるのも事実です。最終的にどの形で着地するかは未定ですが、投資家・開発者いずれも「ガバナンスの方向性次第でETHの価値は大きく変わる」という認識を共有し始めています。公式声明や資金拠出の動きを注視しつつ、リスク管理を忘れないことが重要です。
投稿 イーサリアムは本当に“救済”が必要か?──開発者が提案した10億ドル組織の衝撃とETH価格へのインパクトをやさしく解説 は NFT-TIMES に最初に表示されました。
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