トランプ米大統領は2026年1〜3月期に3642件の株式取引を行ったことが、今週公表された113ページに及ぶOGEフォーム278-Tの開示書類で明らかとなった。同書類は、2026年初めの債券偏重から大きく転換した姿勢を示している。
1取引日あたり約60件の取引となる水準。リンドン・B・ジョンソン以降続いていたブラインド・トラスト(盲信託)による運用慣行を事実上破る動きである。
ジョンソン以降の大統領の多くは、利益相反回避のために個人資産を適格なブラインド・トラストへと移管してきた。ジミー・カーター氏はさらに自身のピーナッツ農場を清算した。バラク・オバマ元大統領は米国債とインデックスファンドを保有していた。ジョー・バイデン米大統領も任期中はブラインド・トラストを利用していた。
今回の開示書類は113ページに及ぶ。個別には、エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)、ブロードコム(AVGO)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)への投資が明記されている。
いずれも100万ドルから500万ドルの範囲。売却は1件あたり1万5000ドルから2500万ドルまで数百件に及ぶ。
スコット・ベセント財務長官は議員による株式取引の禁止を公に支持している。与野党問わず、同様の意見が議会で相次いでいる。
同様の主張は、行政機関による取引にも強まっている。2012年のSTOCK法はこうした取引の開示を義務付けているが、禁止までは規定していない。
ポートフォリオは、政権の政策恩恵を受けた領域へと傾斜している。エヌビディア、ブロードコム、AMDなど半導体関連は、国内の半導体生産強化を目標とするホワイトハウス方針と合致する。
これらの買いは、アジアのサプライチェーンを標的とした通商関税政策の転換が続いた1年とも重なる。JPモルガン、ゴールドマン・サックス、ビザなど金融銘柄も、2026年まで続いた規制緩和路線と軌を一にする。
コインベース(COIN)、ロビンフッド(HOOD)、ソーファイ(SOFI)への投資は、積極的な暗号資産政策の動きと重なる。この期間には大統領令、連邦ビットコイン準備、トランプ・アカウント型の退職年金プログラムも打ち出された。
ロビンフッドは同プログラムの初代受託者となる。批判派は、利害の衝突リスクを指摘する。ホワイトハウスは、開示書類がSTOCK法に完全準拠していると主張している。
最も議論となっているのがデル・テクノロジーズ(DELL)の例。書類には2月10日から複数回、7桁ドル規模の買いが記載されている。5月8日、大統領はホワイトハウスのイベントで同社を公然と称賛した。
デル株は同日で約12%上昇した。デル一族は別途、2025年12月にトランプアカウント型プログラムに62億5000万ドルの寄付を誓約している。
パターンが正式調査に発展するかは、下院・上院の倫理委員会とOGEが判断する。
今回の開示は現行法を満たしているが、行政機関の取引ルールをめぐる議論を一層深める内容となった。
この議論は、議員の証券保有問題への長年の注目を受けて、重要性が増している。
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